コナリミサト『凪のお暇』3
コナリミサトの『凪のお暇』第3巻。
2巻にはいってから、慎二のイメージがどんどん上がり、
おそらく第3巻では読者のほとんどが慎二の味方なのではないだろうか。
この流れではおそらく、凪は慎二の真摯な気持ちにやがて気づいて、
元サヤに戻るところで話は終わるのかな? と思うけど、
それだと、
空気なんて読まず自由に生きるんだ! と、自分の人生をリセットし、
周りの価値観にとらわれずに自分の生きたいように生きるはずだった凪が、
結局は、もとの既成の社会的な価値観で肯定されるようなポジションに帰っていく、
という話に落ち着いてしまう。つまるところ、自分探しをこじらせてピンチにおちいった主人公が、ちょっと素直じゃないツンデレ王子様に救われる、という話に。
ふーむ、なんだかな。
そもそも凪って、節約好き、気が弱い、優しい、地味、と男受け抜群の性格。
おまけにはげしく巨乳。漫画のなかでは美女と美女でない人間のかき分けがないのであまりわからないが、おそらく、男子受けは抜群なので、顔もそこそこかわいいのだ。
アウトローをいくようでいて、結局のところ、王道の少女漫画の王道をいく主人公のように思える。なので、慎二に救われるパターンでも、なるようになる感じが非常にある。
まあ、既成の価値観を打ち破る、というのはおそらく私の読み間違いで、
本来、空気を読むのっていやだなあ、というところにしか疑問を投げかけていない話だったので、それで良いのかもしれない。
今後、期待を裏切ってくれるのか、それとも王道をひた走るのか。
まあ、どっちでもいいです。