劔樹人『今日も妻のくつ下は、片方ない。 妻のほうが稼ぐので僕が主婦になりました』
ミュージシャンとして食べることを目指すもかなわず、神聖かまってちゃんのマネージャーとなり、その後も音楽になんとか関わる仕事を続けるも軌道に乗ることはできない作者、劔樹人のコミックエッセイ。
詳しくは本書にかかれないが、その状況を見かねた当時の彼女が、結婚しよう、そしてあなたは主夫をしながら自分のやりたいことをやれ、と申し出、作者の主夫生活がスタートする。
主夫でいることに引け目を感じたり、主夫でいることに楽しみを見つけたりしながら過ぎて行く日々が描かれる。ちなみに、作者の妻となったのは、エッセイストなどで有名な犬山紙子。
ばりばり仕事をする妻と、完全に家事の一切を担当する夫。夜帰って来た妻に、夜食を作ってと頼まれれば作るし、朝の支度の手伝いもする。作者はまったく、良い「主婦」像をまっとうしているように見える。妻が随分主夫の夫に尽くされているように見えるが、これ、けっこう世の主婦たちが主婦としてこなしていることなのだろうか。最近の主婦というものが、想像つかないのでわからない。
いつもどこか困った顔で描かれる漫画の中の劔さん。
これでいいのかなあ、これもいいよなあ。そういうものがあい混じるように見えるその姿は、リアルな「主婦/夫」像なのかもしれない。
今日も妻のくつ下は、片方ない。 妻のほうが稼ぐので僕が主夫になりました
- 作者: 劔樹人
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2017/06/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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