本、漫画、映画など

主に読んだ漫画の記録。

尾崎衣良『外面が良いにも程がある。』

外面が良いにも程がある。 (フラワーコミックスα)

 

広告が気になって買ってしまった。

読んでから言うと、別に買って読まなくて良いような漫画だな、と。

 

まさかの短編集で、広告に使われている話

(メガネの女の子の仕草にイケメンが惚れるというもの)

は、まあ、だいたい想像の範囲内で終わります。

一見素朴に見える彼女が本当はどうなんだろう? と謎を残すような終わり方で

従来の、メガネで地味で真面目な女子が本当はめちゃくちゃ美人で、

でももててなかったから男にはウブで、

というようなパターンを崩そうとする工夫は見れるけど、まあそうですか、と。

 

収録されているのは、

「外面が良いにも程がある。」

「業務上偽装恋愛」

「いたい にがい 少しあまい」

「優しい毒薬」

の4作。

4作目も、広告に使われてた気がしますね。

卵アレルギーとわかってハンバーグに卵を入れて彼女に食べさせる

とんでもない彼氏が出てくる話です。

が、こんなとんでもない彼氏ですら、

なぜかこの作品のなかでは中途半端なパンチで、印象が薄い。

全体的に何もかもがどこかですでに聞いたことがあるような、想定内の話です。

他のブログでは、「良作」と言っているひともいたけれど、

私は別にというかんじですね、まあ、この読後感すら想定内。

 

ま、買って読んでしまったんだけどね。

こざき亜衣『あさひなぐ』

あさひなぐ(24) (ビッグコミックス)

 

新刊が出ていたことに気づかず、やや遅ればせながら最新刊を読む。

 

中学まで文化部に所属していた東島旭は、高校に入り、

ひょんなことから薙刀部に体験入部。

薙刀に関心があったわけでもないが、体験入部をした後には入部を決意するように。

旭が入部届けに書いた、入部の動機は、

「強い女になりたい」から。

 

練習を通して、試合を通して、

ときに仲間に嫉妬したり、

うまくできない自分の弱さに自信をなくしたりという

主人公の旭をはじめ、薙刀部の全員の、つまずきながらも、「強く」成長していく姿は、

胸を痛めもするし、すがしがしくもする。

 

個人的には、のっぽで毒舌、器用に世を渡りそうなキャラの

紺野さくら(新・部長)のエピソードがお気に入りだけど、

最新刊、24巻では、同学年のトド(あだ名)に遅れをとって、嫉妬し、焦っている

大工原に焦点が当てられ、続く25巻が非常に楽しみ。

 

ちなみに、1、2、3巻はアマゾンで期間限定無料だし、

23巻までは漫画アプリ、「マンガワン」で配信されているので、ぜひ。

 

 

 

 

 

劔樹人『今日も妻のくつ下は、片方ない。 妻のほうが稼ぐので僕が主婦になりました』

今日も妻のくつ下は、片方ない。 妻のほうが稼ぐので僕が主夫になりました

 ミュージシャンとして食べることを目指すもかなわず、神聖かまってちゃんのマネージャーとなり、その後も音楽になんとか関わる仕事を続けるも軌道に乗ることはできない作者、劔樹人のコミックエッセイ。

 詳しくは本書にかかれないが、その状況を見かねた当時の彼女が、結婚しよう、そしてあなたは主夫をしながら自分のやりたいことをやれ、と申し出、作者の主夫生活がスタートする。

 主夫でいることに引け目を感じたり、主夫でいることに楽しみを見つけたりしながら過ぎて行く日々が描かれる。ちなみに、作者の妻となったのは、エッセイストなどで有名な犬山紙子。

 ばりばり仕事をする妻と、完全に家事の一切を担当する夫。夜帰って来た妻に、夜食を作ってと頼まれれば作るし、朝の支度の手伝いもする。作者はまったく、良い「主婦」像をまっとうしているように見える。妻が随分主夫の夫に尽くされているように見えるが、これ、けっこう世の主婦たちが主婦としてこなしていることなのだろうか。最近の主婦というものが、想像つかないのでわからない。

 いつもどこか困った顔で描かれる漫画の中の劔さん。

 これでいいのかなあ、これもいいよなあ。そういうものがあい混じるように見えるその姿は、リアルな「主婦/夫」像なのかもしれない。

今日も妻のくつ下は、片方ない。 妻のほうが稼ぐので僕が主夫になりました

今日も妻のくつ下は、片方ない。 妻のほうが稼ぐので僕が主夫になりました

 

 

深谷かほる『カンナさーん!』

カンナさーん!【期間限定無料】 1 (クイーンズコミックスDIGITAL)

 amazonの、期間限定無料のコミックは、漫画好きのゴキブリホイホイである。
 あ〜今はこれが無料なのね、なるほどね、でも面白い気がしないなあ〜、ま、無料だし読んでみるか、と思えばそれが最後。まあ、かなりの確率でその後結局全巻読むはめになる。

 あたりまえである。私なんぞよりよっぽどかしこいamazonさんは、勝算があって無料にしているのだ。

 

 今回そうして手を出してしまったのが、現在渡辺直美主演でドラマをしている『カンナさーん!』。

 ドラマもちょっと見かけたことがあったので、面倒だし2巻から読み始める。

 まあなんだろう。端的に言って、なんだか作者が心配になるほどダメ男ばっかりの、ダメ男図鑑みたいな漫画で、出て来る男たちは顔はいいけど、中身がリアルに最悪だ。非常に複雑な思いになる。まあ、それぞれいいところもあって、憎みきれないのだが、微妙に読む者(私)の苦い過去を掘り起こすので憎たらしい。

 癒しはなんともかわいい息子のレオちゃん。カンナは正直おせっかいでガサツでデリカシーがないし、男たちはどうにもこうにもであるし、そんな中唯一のオアシスである。

 ああ〜もう〜と思いながら、ときには泣きじゃくりながら、気づいたら次の巻、次の巻、と読んでしまった。いやはや、まったく。消えた半日と数千円。

 まあ、楽しい漫画です。はい。

 

 ちなみに、似たような系統で、

 も、無料期間中に買って一気に読んでしまった漫画。こちらは、外見内面共にいけてる男が夫なので、安心感あります。非常に。たまーに、男に媚びるのがいい女じゃないだろっていう最初の主人公の考えが、おいおいどこいった? というようなつっこみどころはあるにせよ。

 

コナリミサト『凪のお暇』

凪のお暇 1 (A.L.C. DX)

 

 ネットの広告でやたらに見かけ、気になったので買ってみる。

 ネットの漫画の宣伝は、どういう話なんだろうと思って買ってみると、まったく広告の文句から抱いていたイメージとは違うことが多いので、はらはらしながら買う。過激な場面やセリフをきりとって、物語からそれていることが多いので、作品のおもしろいところを伝えられていない。結局、私だってそういった過激な断片によって買っているのだから、戦略としては良いのかもしれんが、作品がかわいそうというときもある。

 

 それはおいといて。

 『凪のお暇』はまあまあ面白い。

 主人公の凪は、空気を読むことに徹し、自分という人間を殺して生きる会社員、28歳。

 気が弱く、言いたいことも言えないので、同僚女子に雑務を仲良いふりしておしつけられる日々。他人のミスで怒られたりなんていうのもめずらしいことではなく、仕事面でもぱっとしない評価を与えられ、その一方で自分に雑務をさせる同僚はちゃっかり、いい仕事をするね、と上司に褒められていたり。さらには、昼休みには、凪は同僚女子たちのマウンティングのかっこうの餌食になるしまつ。

 それでもいいか、と諦めていた日々が続くが、ある日、同僚女子たちの自分への陰口を目の当たりにしてしまう凪。さらにその直後、社内でこっそりつきあっている営業エースの我聞が、自分のことを、体目的でつきあってるふりをしてるだけ、と男子社員だけで笑っているのを聞いてしまう。

 空気を読み、まわりの人間に合わせて生きてきたのに(あるいは、生きてきたから?)こんな仕打ち、とショックで凪は過呼吸の発作をおこし、その後、逃げるように退社。

 ストレスが限界に達して会社で過呼吸を起こしてしまったとき、凪は悟る。

「空気は読むものじゃなく吸って吐くもの」。

 冷蔵庫以外のものすべて、服も、ソファも机もベッドも、携帯電話も、SNSアカウントも、人間関係も捨てて、いったんそれまで歩んできた人生から「お暇」をもらうのである。

 

 もちろん、凪の、再出発に向けて、休みつつ、歩んでいく「お暇」の日々は、なにもかもがうまくすすむわけではない。無職の極貧節約生活(本人はけっこう楽しんでるが)だし、それなりにきわどい年齢であるし、元恋人(なのか?)の我聞は、凪の新しい住所を聞き出して、生まれ変わろうとする凪に、お前が生まれ変わるのは許さない、と宣戦布告をするのである。

 実は我聞、ひどいことを言いながら、凪のことが好きでたまらなかったというとんでもなく幼稚な男なのだが、一見営業のエースで空気を読むことに長けている彼も、なにか抱えているものがあって凪を求めているのだろう。

 はたしてこれから凪はどう変わっていくのか。

 

 ちょっと古臭い力の抜けた絵柄も懐かしくてかわいく、非常に女子好みの漫画ではないか、と思う。

 まだ2巻以後は出てないので、代わりに読んでみた短編集『恋する二日酔い』もなかなか。

恋する二日酔い

恋する二日酔い

 

 

二ノ宮知子『のだめカンタービレ』

のだめカンタービレ(1) (Kissコミックス)

 天才がその才能の真価を発揮せんと歩む姿が好きだ。

 『天才ファミリー・カンパニー』の記事でも書いたが、二ノ宮知子は天才を書くのがうまい。才能があって、やりたいことがはっきりしていて、突き進むことに迷わない、そんな天才たちを二ノ宮知子は、何度も描いてきたのではないかと思う。

 その中でもやっぱり『のだめカンタービレ』が一番好きなのは主人公ののだめが、悩み、逃げようとしていることすら自覚的になれず逃げようとし、そして挫折を味わうからである。

 いくら天才といえど、鍛錬することなしに、世界に通用することはできない。

 のだめは類稀な才能を持っているが、その才能が荒削りなままでは到達できない世界がある。

 千秋と出会うことによって、音楽の楽しさ、自分の才能の可能性を最大まで活かす喜びに目覚めていくのだめは、それでもなんども、その喜びを得るまでの厳しさに、立ち止まり、つまずき、逃げようとしてしまう。そうしながら徐々につよく、つよくなっていくのだめの姿を描いているところが、『のだめカンタービレ』が二ノ宮作品の中で一番光っている理由なんではないかと思う。

 お気に入りは、はじめてのピアノコンクールの後ののだめ。

 おちこんだときに何度も読み返してしまう。

のだめカンタービレ全25巻 完結セット (講談社コミックスキス)

のだめカンタービレ全25巻 完結セット (講談社コミックスキス)

 

 

 

二ノ宮知子『天才ファミリー・カンパニー』

天才ファミリー・カンパニー (1) (幻冬舎コミックス漫画文庫)

 

 人は天才に憧れるもの。

 二ノ宮知子は天才を描くのがとってもうまい。『のだめカンタービレ』がやっぱりそのなかでもピカイチと思うけど、『天才ファミリー・カンパニー』もまたよし。

 題材は、ビジネス、経済、そして少しハッキングといったところだろうか。 

 天才的頭脳を持つ主人公、夏木くんの母が、とんでもない男、(ほぼ無職、コブ付き)と再婚するところから始まる。どたばたのほほんとした家族ものかと思いきや、気づけば思わぬ事件に巻き込まれていくのである。

 ストーリーもいいけれど、キャラが皆いい味出している。のほほんとした無職なのに俺様ツンデレの主人公、異様な人脈の広さを持つ義理の父、脇役のくせにいい味を出す、うざいのに憎めない渋い趣味人、有吉。読んでて飽きません。